起訴:文字通り、訴えを起こすこと、です。
被害者の申し出などに基づいてしっかり捜査をした結果、検察が裁判所に「被疑者を処罰するかどうか、しっかり検討をしてください」と事件を申し送ること。
不起訴:文字通り、訴えを起こさないこと、です。
例えば、
・被疑者が罪を犯したことが予測されるが決定的な証拠がない場合
・被疑者が罪を犯した証拠はあるけれど、(初めての犯行である、被害者と示談が成立している、罪を認めて反省しているなど)様々な事情を考慮して、裁判で処罰する必要まではないと考える場合
などに、今回は裁判にかけることを見送ろうと、検察官が判断することです。
起訴・不起訴の判断をするのは検察官です。被疑者が逮捕・勾留されていて身体拘束を受けている場合には、原則として、その期限が過ぎるまでに、起訴・不起訴の判断をしなければなりません。
他の記事でも説明させていただきましたが、逮捕してから勾留の請求を行うまでの制限時間は最長72時間です。そして、原則として、勾留は10日間であり、その後10日まで延長することができます。そうすると逮捕からわずか3週間あまりの間に、起訴・不起訴の判断が下されることになります。
勾留の最終日になっても検察官が起訴・不起訴の判断ができない場合、法律上、これ以上の期間の身体拘束ができませんので、被疑者は釈放されることになります。報道などで「処分保留釈放」という言葉を聞いたことがあるかもしれませんが、このことを意味しています。
この場合の「処分」とは「起訴・不起訴の判断」のことを指します。それを「保留」つまり判断を先送りする、ということです。
もちろん先送りですので、いつかは、検察官により、起訴・不起訴の判断がなされることになります。
ただ、別件ですぐ逮捕されるような場合を除くと、最終的に不起訴と判断されることが多いように思います。
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